印刷の現場から、濃厚で深い黒を綺麗に印刷する方法をご紹介いたします。
黒色を表現するにはおおまかに2種類あります。
「リッチブラック(CMYK4色の掛け合わせ)」と「スミベタ(K100%)」です。
※リッチブラック・・・C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)4色をミックスさせてできる黒色のこと。
見た目は黒色ですが4色を使っているのでカラー扱いになります。→【リッチブラックとは】
※スミベタ・・・K(ブラック)1色の黒色のこと。→【スミベタとは】
この内「濃厚で深い黒を綺麗に印刷できる」のは「リッチブラック」です。
こちらの写真はリッチブラック(K100%)で印刷した場合です。
ほとんど一面真っ黒で均一に色が乗っています。
このように均一に色が乗るので、リッチブラックは「黒ベタに使いたい、背景に使いたい、広い範囲を塗りつぶしたい」場合におすすめです。
※ここでのリッチブラックのCMYKのかけあわせは「C40%、M40%、Y40%、K100%」に設定しています。
こちらの写真はスミベタ(K100%)で印刷した場合です。
ムラがあるのが分かります。
均一に色を乗せるには不向きですが、輪郭がはっきりするので文字等の細かい部分に使うのがおすすめです。
「リッチブラック」を使用した黒いデザインをより活かすために、用紙は「アイベストW」などのコート紙をおすすめします。
表面加工された用紙なので上質紙よりもトナー(インク)のノリが良く、より深い黒に仕上げてくれます。
以下はスロカで取り扱っている用紙の中からトナーのノリが良いものと乗りづらいものに分けたものです。
エスプリコートFP(光沢面)
アイベストW、ハイマッキンレーマットポスト
マシュマロ、マシュマロナチュラル
ハイブランカR、しらおい上質、孔雀ケント、エスプリコートFP(上質面)
マーメイド、紙三彩両面新オボナイ紙 白
広い範囲に色を乗せたい場合はトナーが乗りやすい用紙を選びましょう。
トナーが乗りづらい用紙(特にマーメイド、紙三彩両面新オボナイ紙 白)は表面がザラザラした紙質なので、ムラが出来やすくなります。
リッチブラックは均一に色が乗るため、広い範囲を印刷するのが得意です。
スミベタ(K100%)は輪郭がはっきり印刷されるため、細かい文字などを印刷するのが得意です。
このように、デザインによって「リッチブラック」と「スミベタ」を使い分けることで、よりこだわりの印刷物に仕上がるでしょう。